用水情報

用水管理システムの紹介

主なはたらき

  1. 変動する取水可能量に対応した各地域に対する合理的公平な水配分
  2. 各種監視機能による事故時全状況の把握及び重大事故の防止
  3. 各種遠隔操作機能による施設操作の迅速化
  4. 施設運営、管理に必要な各種データの保存蓄積
  5. 施設運営、管理の一元化、合理化にともなう維持管理経費の節減

主な管理施設

1.頭首工
河川上流部に設置される用水取水機能を持つ施設、河川水位を監視しながらゲートの開閉を、中央管理所から遠方操作します。

施設名称計画最大取水量
日向川頭首工8.509m3/S
荒瀬川頭首工3.500m3/S
井皿頭首工1.325m3/S

2.幹線用水路分水工
幹線用水路(開渠工)に設置され各揚水機場に分水する施設、水位データを監視しながら各分水ゲートを遠方制御します。

施設名称計画最大流水分水量
市条分水工9.272m3/S
星川分水工3.303m3/S
郷之目分水工1.976m3/S
吉田分水工3.170m3/S

3.調整水槽
右岸側地域、自然落差タイプの幹線用水路に2ヶ所設置されている。取水量と需要水量とのバランスを取るためのバルブの遠方監視、遠隔制御をおこないます。ここでの余水分は逆サイホンタイプの余水吐で自動排除できる仕組みを採用しています。

4.揚水機場
右岸側地域には渇水期補水場水機場6ヶ所、左岸地域には常時かんがい用揚水機場21ヶ所があわせて27ヶ所設置されています。これらの各揚水機場を遠方監視、遠隔操作しています。

中央管理所の遠方監視制御機能

監視機能

中央管理所では各子局からの情報を収集し、これらの情報を処理するとともに監視盤、操作卓において監視します。管水圧、管網流量などに変化があれば遠方制御を行うなど、管水路全体を常時監視し、重大な故障が発生した組合には警報を発するようになっています。また、グラフィックパネルはシンボルマークの表示やデータのデジタル表示によって、地理的関係、水の流れ、各種機器の運転状況、管水圧などが一目で把握できるようになっています。

給水栓

制御機能

収集されてくるデータが計画地と比べ大きな差がある場合には、操作卓で任意の子局を呼び出し、揚水機の運転停止、制水弁の開閉、除塵機の運転停止などを行います。頭首工の操作対象は本川土砂吐水門、取水門、福山分水門の開閉であり、以上洪水に対しては警報ブザーが鳴り、自動的に操作されるようになっています。

画像監視機能

日向川頭首工の本川土砂吐水門、取水門の操作変位は、すべて本川側水位計と沈砂池内水位計とによって行います。また、ITVによっても確認します。

情報収集および記録機能

中央管理所には、コンピュータが設置されており、ロギングとシステムのデータ処理を行います。ロギングデータ処理は、時報、日報用として各子局からの水位、開度、流量などの計測情報及び演算結果をロギングタイプライターによって記録します。システムデータ処理は各施設の故障、操作作動の処理用として、各子局からの監視情報および制御内容をシステムタイプライターによって記録します。これら得られたデータを整理、蓄積し詳細に分析することにより、各ブロックの水利特性を把握し、水の適正配分を行うことができます。

伝送路機能

中央管理所(親局)と各揚水機場に設置された子局間はNTT回線(D-1規・2線式)で接続し、右岸・左岸調整水槽及び日向川頭首工に設置された子局間は既設の私設線を利用して接続します。各子局孫局(現場機器)間総延長16kmは、日向川横断の架空部分の他は雷害を防ぐため地下ケーブルを結んでいます。

分水施設と給水装置

幹線管水路から支線管水路への分水は、鋼製異形管と水道用制水弁が組合された分水工によって行います。大口径のバタフライ弁は電動操作で遠方監視制御され、ほかはすべて手動操作となっています。幹線管水路から支線管水路に分水された水は、末端給水管を通り給水栓によってほ場に給水される仕組みになっています。

日向川右岸地区用水管理システム

右岸中央監視盤操作卓

40数kmにおよぶ用水路の適切な配水管理を行います

右岸側地域の用水管理システムは県営かんがい排水事業日向川地区によって昭和57年から60年にかけて施行されたものです。
この地域の特徴は地形の自然勾配を利用した40数kmにおよぶ長大なパイプライン網が形成されていることと渇水期対策のため補水揚水機場が6ヶ所地区末端にともなう幹線水路管内への空気連行対策、ウォーターハンマ現象などからの管路保護対策がその他の施設管理問題ともあわせて重要な課題でした。これらのことに対して取水供給水量と消費需要水量とのバランスをとる調整水槽の設置、管網圧力、制水弁の遠方監視、遠隔制御等の高度なシステム技術が採用されてきたのです。
この右岸側のシステムでは、44kmにおよぶ管網幹線用水路の適切な配水管理を行っています。各ほ場において用水不足や水圧低下などの異常事態が発生した場合は、すみやかに制水弁の開閉、揚水機の運転などを行いこれに対処しています。

右岸調整水槽

用水管理システム

このシステムは県営かんがい排水事業で施行され昭和60年に完成しております。
この地域の特徴は地形の勾配を利用した40数kmに及ぶ長大なパイプライン網が形成されていること又、渇水期対策のため6箇所に補水ポンプ場を設置し、管網幹線用水路の適切な配水管理を行っています。

右岸地域システム構造図

日向川左岸地区用水管理システム

左岸中央監視盤操作卓

26ヶ所の揚水機場を一元的に集中管理をしています

左岸側地域の用水管理システムは県営農村基盤総合整備パイロット事業庄内地区(昭和49年着工)、県営ほ場整備事業平田地区(昭和57年度着工)、北平田第一地区(昭和54年~平成元年完了)、東平田地区(昭和52年~62年完了)の共同工事として施工されました。あわせて2,964haのほ場に26ヶ所の揚水機場が設置されています。
この地域の特徴は地区内に多数の揚水機が散在しており、かつそれらの地域の管理システムは揚水機場に対する管理方法が重点課題であります。
各機場の吐出部に流量設定バルブを設置し、機場制御の半自動化を行いながら中央管理所から遠方制御、操作する方法を採用しています。

前川第一ポンプ場
星川分水工

用水管理システム

このシステムは県営ほ場整備事業5地区の共同工事として施行されました。この地域の特徴は地区内に多数の揚水機場が散在していることから管理方法が重点課題でありました。
これら解消すべき各機場の吐出部に流量設定パイプを設置し機場制御の半自動化を行いながら中央管理所から遠方制御、操作する方法を採用しています。

左岸地域システム構造図

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